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「なんていうこともあったのよ」

冷たいトロピカルティーを啜りながら彼女が呟く。
そうだ、確かにそういうこともあった。
私はいつから、香水の香りがしない男を好きになったのだろう?

「彼のつけていた香りね、本当はエゴイストじゃなくて、エゴイスト・プラチナムだったの」

私は知っている、と頷いた。
知らないはずがない。
だって彼女は、15年前の私なのだから。

「ねえ、何の香りもしない男の人を好きになるのってどんな気分?」

屈託なく彼女が笑う。
私もトロピカルティーを啜りながら笑った。

「最高の気分よ。何も思い出さなくて済むんだから」
 
2017/06/13(火) 18:00 [001] PERMALINK COM(0)
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