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6月最後の日。
私達は少し遅いティータイムを過ごしていた。
紅茶の時間を計る砂時計はもう落ち切っていて、
壁に掛けた無機質なデザインの時計が逆さに回っている。

「ねえ、あの時計、壊れてるよ」

彼が壁時計を指して言う。

「世界は7月にリセットされるの」
「リセット?」
「時間になれば分かるわ」

彼はとりあえず納得したようだった。
テーブルの上の砂時計も逆さまにして日付が変わるのを待つ。
7月1日まで、残り5分を切った。


「もうすぐだね」

彼が私の手を握る。
私はそれには答えず、時計の秒針を眺めていた。

カチッ。
時計の針が0時を指した。
7月1日。


その瞬間、彼は砂になって世界から消えた。
 
2017/07/01(土) 23:59 [001] PERMALINK COM(0)
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