日曜の午後。
教会にも行かずレジャーにも出かけなかった私達は、
アパートメントのバルコニーでお互いの髪を切り合っていた。

「君の髪はまるでドールみたいだね」

私の髪に櫛を通しながら、彼がうっとりと呟く。

「それはいい意味で?」
「もちろん、とびっきりいい意味で、さ」

ざくっ、と髪を切る音が耳をかすめる。
彼はとても器用だ。
私はあっという間にいつものジャパニーズ・ドール・スタイルにされてしまった。

「俺以外の男に髪を切らせないで」

顎のラインで切り揃えられた私の髪に頬ずりしながら彼が囁く。
その仕草があまりにも子供じみて見えたので、思わず笑ってしまった。

「だったら私より長生きしてよ、ダーリン。いつまでも私の髪を真っ直ぐにカットして」
 
2017/11/15(水) 03:32 [001] PERMALINK COM(0) TB(0)

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